2023夏祭り出店

　「こんなに暑かったっけ？夏祭りって・・・」そう何度か話しながら、汗だくになりながら焼き鳥を焼いていた。コロナ禍を超え、久しぶりのフルスペックの祭りだ。テンションは嫌でも上がる。たくさんのお客さんが次々に焼き鳥を買いに来てくれる。焼いても焼いても追いつかない。子供たちの笑い声、盆踊りの音色、通りすがりの仲間たちの声、汗だくの親じたち、炭火から感じる痛いほどの熱、ぬるくなった缶酎ハイ、蚊にさされた泥だらけの足首、どれもコロナ前の夏の記憶と今を結びつけては、笑いが堪えきれなくなる。

　見てよ、この笑顔。何がそんなに楽しいのか、聞いてみたくならない？きっと、聞いてもわからないんだろうな、彼らも。何が楽しいのか。でも、楽しいんだ。熱い夏の夜にみんなで乾杯して、焼き鳥焼いて、カクテル作って、たくさんの人と久しぶりの挨拶をして、踊って、わいわいしているのが、楽しいんだね。

　腹が立つほど眩しい夕日も、俺らには酒の肴にしかならない。２週連続で朝も昼も準備に明け暮れた親じ達は、実は開店前には既に疲労困憊。でもその疲れすらも酒の肴にしてしまう。準備した賄い食事はロールパンとソーセージだけ。それも、みんなと一緒に食べると最高に旨い酒の肴になるのだ。そこにたくさんのお客さんの笑顔が酒の肴になるんだから、呑まずにいられるか。というものだ。

　みんなと一緒にいることが、熱くても楽しくて仕方ない夏の夜だった。

乱文にて失礼。